Q. 「上座部仏教」と「上座仏教」に厳密な使い分けはあるのだろうか。
Q. 「上座部仏教」と「上座仏教」に厳密な使い分けはあるのだろうか。
A.
上座部は、仏教の根本分裂のときに、教理・戒律とも伝統を重視する姿勢に立った、いわば保守派の集団だった(大衆部と対立)。
この上座部は、やがて分派・分裂を繰り返し、いくつもの派ができた。
これらのうち、スリランカ上座部大寺派がスリランカ、ミャンマー、タイ、ラオスなどの国々で普及した。
これらの国々の仏教を総称して、南伝仏教ともいう。現在、これらの地域でさかんな仏教である。
上座部仏教と上座仏教を厳密に区別して用いる場合には、
「上座部仏教」は根本分裂時の「上座部」の範囲を示し、
現在の南伝仏教については、その「上座部」が分派した中の一部の流れ(スリランカ上座部大寺派)を汲んでいるので、「上座仏教」と呼ぶ(「上座部」の諸派全部を指してはいないので)。
ただし、一般的な解説では、多くの場合、そこまでの使い分けをしていないようである。
使い分けを明示している例:矢野秀武「上座仏教」(『現代宗教事典』弘文堂):このQ&Aの説明でも参考にした。